「あ、渡辺君、どもども」
「あ、片山君、どもども」
今回の居酒屋しんさんのお客さんは片山健くん。4/5~49まで、池袋の東京芸術劇場で上演される『僕は雨の中にいた』(作・演出:デビッド宮原/劇団前方公演墳)の稽古帰りに、とある「レクチャー」に来てくれた。
なんのレクチャーかというと、彼はとにかく徹底的にこだわりを持つ人で、凝り始めるととことんやらないと気が済まない人。元々はバイト仲間なのだが、仕事をしていてもこだわるし、食事なんかもこだわっているので、30歳を過ぎて最近ちょっとお腹がぽっこりしてきた渡辺は、食生活の改善をしようと、いいダイエット食を教わった。
ついでに、今のこだわりを聞いてみたところ、水、食べ物、筋トレ、幕末、調味料、日本酒、外食……ざっとあげただけでこれだけ出てきた。
水はアルカリイオン水で、25万もする精水器使用。外出するときもペットボトルに入れて持ち歩く。幕末は坂本竜馬の命日に高知まで行く徹底ぶり。外食は基本的にはしないが、もしも外食するならうなぎか寿司。家で自分では作れないから。それから食べ物に関して、野菜は減(低)農薬、無農薬、有機野菜。どんなにお金がなくても、高くても、これだけは譲れないとのこと。
余談だが、彼はすごい偏食で、小麦粉を食べない。うどんもそばもパンもダメ。その他、小麦粉を使った料理には興味がないのだが、餃子だけは別。
「他の料理は他の素材で似たものが作れるが、あの餃子のモチモチ感だけは、小麦粉じゃないと作れないから」とのこと。一緒に食事や飲み屋に行くと大変なんです、彼。
そんなこだわり男の片山君、芝居に関しては「別にこだわりないんだよね」だそうだ。
でも僕は知ってるよ、君の舞台上でのこだわった芝居を。
片山君、こだわりってね、「匂い」として出るじゃない? 台詞が乾燥して聞こえないウエットな感じ。生きた目線。役の人生にこだわっているから、細かいところまで、演技に血が通っているのがわかるんだ。自分の健康を大事にしているように、役の人生を大事に生きている。役の人生は、この僕たちが生きている世界には、ほんの数時間しか出てくることはない。だから、君のこだわりは、役(として演じる人物そのもの)に感謝されているんじゃないかな? 「具現化して、こっちの世界の人たちに紹介してくれてありがとう」って。台本に書かれた、この世界とは違ったパラレルな世界からね。
君のこだわりはうまく言葉では言い表せないけれども、舞台上では表現されているんだ。それが見えるから、お客さんは面白いんだと思うしね。
今回は彼お得意の幕末芝居ではなく、昭和の芝居。昭和サイキックミステリー。どんなこだわりを見せてくれるんでしょうね。
さて、僕のほうは……ダイエット頑張ります。







