「あ~しんちゃ~ん、久しぶり!」。
「ああ、まいちゃん!」。
本日の居酒屋しんさんのお客さんは、作家(脚本家)の三浦有為子さん。3月1日から5日までザムザ阿佐谷で上演される、彼女自身が作・演出を手がける『ナイストリップ』(http://www.majenta-majenta.jp/)の稽古帰りに寄ってくれた。出会った当時、彼女は「三浦麻衣子」という名前で女優をしていたから、僕の中では今も「まいちゃん」だ。
そもそもは大学の映画サークルに所属していた彼女。卒業後、某演劇養成所を経て芸能事務所に所属し、女優としてこの世界に入った。僕との出会いはその頃。映画『サイレン』で話題沸騰中の映画監督の堤幸彦さんと僕で作ったユニット、「TSUTSUMI’S LINK」に参加してもらったのだ。それもかれこれ、もう5年も前だなあ(しみじみ)。
「TSUTSUMI’S LINK」の2作目、『ISHIKARI』は彼女が堤監督と共同脚本した作品だった。その当時は作家兼役者ってスタンスだった。代表作としては、堤さんと北村龍平監督のバトルコラボで話題になった映画『2LDK』や2006年5月公開予定の映画『明日の記憶』などがある。
「役者は好き。だけど役者の仕事では一つの役の書かれていること、与えられていることしかコントロール出来ない。もっと大きなものをコントロールしたい」。
なるほど。女優から作家に転身するというのは、表現の幅の理由か。確かにそういう表現欲がエネルギーになって、活動分野を広げる人は多い。彼女も例外ではなく、そして成功しつつある。しかし、役者の気持ちがわかるだけに、困ることはないのか? そして、役者に甘くなってしまわないか?
「若い役者さんを対象にオーディションを開いたの。その時、かつての自分に似た子がいた。すごく合格させてあげたかったけど、不合格にした。10~20代の頃の自分を切り捨てた気がした。辛かったけど、今の私から見て“一生懸命だけじゃダメ”なんだよね」。
すべての若手俳優に、この2つの言葉をかみしめてほしいと思った。もちろん、演劇関係者だけでなく、“選ばれる立場”の人すべてに。
どうしてなかなかオーディションに受からないのか?
「一生懸命だけじゃダメ」。
これが真理なのだろう。
いつしか彼女は役者ではなく、完全に作家、演出家になっていた。
<写真>
最後の写真は今回の公演のために作った封筒。こういう、女性らしいおしゃれなところが素敵。舞台としては2本目となる、彼女の作・演出作品。痛いほど女性の心理を描写した、彼女ならではの作風だ。






