「ひわっち、ちょっと寄っていかない?」
「ああ、ええよ」
本日の舞台裏居酒屋しんさんのお客さんは、ひわだこういち(通称:ひわっち)。2月7~9日に下北沢下車の北沢タウンホールで上演される『しにほへら』(作:高橋徹郎 演出:黒川竹春)の稽古帰り(何を隠そう、この僕も出演するのだ)に誘ってみた。
普段はTRASHMASTERSという劇団に所属する彼、稽古場では寡黙で、基本的には余計な事は話さない。今回の出演者には同じ劇団のカゴシマジローもいるのだが、ジローは逆に稽古場のムードメイカー。彼のトークで稽古場は賑やかだ。特に今回アイドル的存在になっている東海林愛美ちゃんとジローの絡みが面白い。
そんな中でも、ひわっちは黙々と台本を眺めている。決して暗いわけではないのだ。集中しているのだ、多分(笑)。僕が2年前にTRASHMASTERSに出演させてもらった時もそうだったんだけど、なぜか公演が終わってみると、女子一番人気はいつのまにか彼になっている。あの態度、ちゃんと計算されているのだ。きっと今回も……。
そんなひわっちを誘って、無理矢理話を聞きだしてみた。こりゃ、結構貴重だぞ!
19歳の時に芝居の「し」の字も知らずに、神戸で劇団のオーディションを受けた。上手も下手も分からない素人が、4月に劇団に入り、レッスンの一つもなく6月には初舞台、しかも近鉄小劇場!
そんな無茶な形でスタートを切った役者人生。でも、今振り返ってみると、ああいう無茶な形でよかったという。「だって、普通にレッスンとかやらされてたら、絶対に途中で飽きてたもん」-B型ひわっちの真骨頂だ(笑)。そんなひわっち「なぜ役者に?」の問いには「忘れちゃった」とのこと。ここにもいた! 僕と同じできっかけを忘れている役者が!
もうすぐ31歳になるひわっち。今後の話を聞いてみると、「40歳くらいでリタイアして、自給自足の生活をしたい。遊牧民に憧れているんだ」と語ってくれた。なんでも、野菜を栽培して、鶏を飼って、米は卵と物々交換して手に入れるらしい。ということは、残り9年間しか彼を観るチャンスはないかもしれない! 今のうちに彼の勇姿を観ておいてください!
最後に彼が敬愛する役者さんの名前をポロっとこぼしたんだけど、それは内緒って言われちゃった。次の機会に発表出来ることを期待していてください。







