「しんに~~い」。
「あ、ひぃちゃん、いらっしゃい」。
今日の「舞台裏居酒屋しんさん」のお客さんは、いつも元気いっぱいの嶋澤ひろみちゃんだ。
2月18日・19日に天王洲アイルにあるスフィアメックスという劇場で上演される『プロモーターズ』(作・演出 岡本貴也)のプロデューサー兼出演者。
実は僕もこの芝居に出演するのだが、今日はそのチラシ撮影兼顔合わせの帰りにちょっと誘ってみた。
初めてのプロデュースということで、右も左も分からないながらも、自分の考えややりたいことを、時には目を潤ませながら必死にみんなに伝えようとする姿はとても共感が持てる。ま、平たく言ってしまえばそういう姿勢が「好き」だということだ。
実は、芝居の世界っていうのはホントに狭い世界なのだ。
僕が10月に出演した『どツボッ!』(作・演出 中津留章仁/TRASHMASTERS)という芝居の初日、彼女は客席にいた。
他の出演者の知り合いという関係で観に来てくれていたんだけど、実は彼女、僕の友だちが何人も所属している『劇団前方公演墳』の女優さんで、僕自身も今までに何度も彼女の芝居を観て、非常に興味を持っていたのだ。
その日の公演が終わり、帰りがけの彼女をつかまえて「何度か観させて貰ってるんです。今日はありがとうございました」と声をかけると、「キャ~! 話したかったんです! 2月に旗揚げするので出てください!!」と。
いきなり口説かれた。
しかも話を聞いてみると、まだ詳しいことは決まっていないらしい。
彼女のあまりの情熱と、エネルギーに押されてしまい、思わず「はい」と答えてしまったのが、今回の始まりだったのだ。
後々、「ホントに引き受けちゃってよかったのかな? 実現するのか?」と心配していたけど、そこから彼女は精力的に走り回り、色んな人の協力を得て、ついに彼女の団体の旗揚げが実現することになった。
嶋澤さんは、高校を卒業してまず美容師になった。
それまでもそれからも、ずっと、思ったことややりたいことを日記に書き続けてきていたと話す。
小さいころからシャイ&コンプレックスの塊で、かけっこをすれば1着にはなれずいつも2着以降だった。そんな彼女自身が唯一周囲に褒められたのがお遊戯会だった。
「役者になりたい」。
そう思って前方公演墳のオーディションを受けた。
「あれからもう6年が経ったんだ」と彼女は言った。
彼女の役者としてのキーワードは「表現」。
夢は「いつか自分ひとりで表現する場を持ちたい。さらには誰かが表現できる場所を作りたい!」とまたもや瞳を潤ませながら話してくれた。かわいいじゃないか!
今回の芝居に誘われたときも、「本当の表現者と呼べる人だけを集めて何かがしたいから、だから表現者だって思えるしんにいに協力して欲しい」って言われた。
彼女の夢の第一歩に少しでも協力できればと思う。
きっと楽しい舞台が出来るはずだ。




