プロフィール
宇月田麻裕
作家・エッセイスト、開運研究家。ハッピネスファクトリー®代表(http://www.happiness-f.com/)。執筆、テレビ出演、講演、WEB企画プロデュース・監修など幅広い分野で活動。動物をはじめ、恋愛や結婚をテーマにした著作を数多く発表。著書に「心に残るペットと人との感動ドラマ」(学研)ほか。 

2009年12月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
アーカイブ
最近のトラックバック
最近のコメント
2007年2月15日 (木)
最終回・ハムスター編6 ミルクと私の旅立ち

 前回、カタツムリの「でんでん」と「ちゅっちゃん」がお星様になった話を書きました。
 私は死というものと真剣に向き合うようになっていました。
 愛すべき存在がいなくなること。それは悲しいことです。「いなくなる」という感覚は、そこに「いた」という事実があるから実感することであり、もともと存在していなければ「いなくなる」ということはない。当たり前のことです。
 でも、この世の中のすべての存在に対し、程度の差はあれど、必ず存在は「いる」のです。
 親、兄弟、友だち、恋人、夫や妻、ペット、同級生、学校の先生、会社の同僚、先輩や後輩、ちょっぴり意地悪な上司、いじめっ子、通りすがりの人たち、ふと目があった野良猫、公園でひっそり生きる蟻、道端に咲く草花、遠い空を飛んでいく鳥たち……。
 すべてが存在なのです。
  人間は、人間を失ったときだけ悲しむのではないはず。
 悲しみの大きさは、存在との距離に比例するでしょう。
 でも、毎日のように若者の自殺のニュースが相次ぎ、理解しがたい残虐な殺人事件が報じられます。生態を脅かされた動物たちの姿が映り、姿を消していく木々の嘆きが伝えられています。
 私は、それらを見聞きするたび、毎日胸に強い痛みを感じるのです。一度も出会ったことがない人々の訃報で、一度も触れ合ったことがない動物たちの痛々しい現状で、棘で心臓を縛られたかのように苦しくなるのです。

 ※

 ハムスターの「ミルク」は、私にとって最も愛すべき存在だった。
 笑い話のように聞こえるかもしれないが、実を言うと最初はハムスターという生き物を小バカにしていた。
「きっと、人には懐かないんだろうな~。まぁ、見ているだけでも微笑ましいか」
 と、観賞のためのペットと考えていたのだ。ところがどっこい。なりふり構わず甘えてくるし、じゃれてくるし、呼べば必ずダッシュで駆け寄る甘えん坊だったので驚いた。このギャップが、深い愛情に変わっていったのかもしれない。
 またハムスターには特有の匂いがある。どこか無邪気さを感じられる甘みのある匂い? それがやみつきになり、いつもミルクのおなかの辺りをクンクンとかいだりしたものだ(変態かしら!? (^_^;))。

 2004年11月7日、そんなミルクが天国に旅立っていった。
 亡くなる数日前から食欲がなくなり、体力が低下して動作が鈍くなっていった。死を予感した私は、ミルクの生きている姿を見る1分1秒が今までよりもより大切な時間となった。片時も離れていたくなかった。なるべく仕事の打ち合わせも入れないようにした。ミルクはどんどん動けなくなっていった。
「もし、私が寝ている間に逝ってしまったらどうしよう」
 もしそうなったら悔やんでも悔やみきれない。
 そして11月7日。ミルクは、最後の力を振り絞り必死で巣から出てきた。ヨロヨロとした足取りで。転げ落ちるように、手を差し伸べた私の手に乗った。
 それからは、もうまったく動けなくなった。本当に最後の最後の力だったのだ。
 きっと私のそばで、手の上で、肌のぬくもりを感じながら逝きたいのだろう。
 どんどん呼吸が荒くなる。鼻が詰まりキュウキュウと音が鳴る。あまりのその苦しさに見ている私が堪らなくなった。
「なんで、こんな可愛い子がこんなに苦しんで死んでいかなきゃならないのか」
 私には理解できなかった。
 そして、最期に痙攣(けいれん)するかのように大きく伸びたのち、愛する子は逝った。その時、私の掌(てのひら)とミルクの身体は私の汗でぐっしょりと濡れていた。
 私は何度も何度もミルクの小さな身体を抱きしめた。

 アオムシ。でんでん。レモン。ミルク。
 アオムシに対してはさほど愛情は感じなかったけれども、私にとっての救いの神になった。当時の私は「この世の終わり」という環境の中にいた。まさか、今こうして明るい気持ちで、明るい未来の中で、動物の感動話(?)をしているなんて思いもよらないことだった。
 でんでんは初めて私に生き物と接する素晴らしさを教えてくれた。冷え切った私の心に愛を呼び覚ましてくれた。向上心を持って生きていく大切さを改めて教えてくれた。
 レモンとミルクは私の生活そのものをガラリと変えてくれるくらい、楽しみとさらなる深い愛を与えてくれた。張り詰めた糸を緩めてくれたのもこの子たちだった。
 そして本編にはあまり登場する機会はなかったものの、ハムスターの「くるみ」と出会った。ずっと病気を患っていたくるみは生きる強さを教えてくれた。

 結婚していたころ、離婚したころ、そして現在。
 いつでも彼らは私に夢と勇気を与え、その時々に必要なメッセージをくれた。
 天国に旅立っていった彼らは、確かに姿形は「いなくなった」と言える。
 しかし、私がこうして書いたり、話したりしているからには、実は「いる」のである。
 思い出として彼らが私の中に生きるという考え方もあるが、私は少しだけ違う見方をしている。
 彼らは私に「愛情」という名前の“命”を与えてくれた。今の私の心に満ちている愛情の、まさに生みの親だ。そしてもし輪廻転生というものが存在するならば、言い換えると輪廻した彼ら自身が私の命、すなわち愛情としてここに「いる」のである。
 その感情があるからこそ、世の中に起こり続けている悲劇に心が痛むと自分では思っている。私が悲しむと同時に、彼らが悲しんでいるからだ。

「僕たちがマヒロに幸せのカタチを伝えたように、マヒロも誰かに伝えてよ!」
 彼らが声をそろえて、そう言っている気がする。

 もし、今これを読んでいるあなたが己を不幸だと感じているならば。
 もし、あなたが人を殺したいほど憎んでいるならば。
 もし、あなたが自殺を考えているならば。
 もし、あなたが孤独にさいなまれているならば。
 もし、あなたが絶望感につぶされそうになっているならば。

 少しだけ立ち止まって動物を見つめてください。
 そして想像してください。
 動物が飼えなければ、動物園でもペットショップでもいいから、ちょっと立ち寄って、にらめっこをしてください。
 何も考えなくて構わないから。
 一度じゃなく、二度、三度。
 何度でも顔をつき合わせてみてください。
 どこかで、必ず彼らが“命”を与えてくれます。
 必ず。

Utsukitamahiro_and_milk  私にとってペットは、いや命そのものである彼らは、これからの人生もともに生きていく。私が死ぬその時まで、何かに気付かせてくれ、教えてくれ、そして人として成長させてくれるに違いない。
 私はこれからも、動物とともに生き、この世に存在するすべての幸せのために何かを生み出していきたい。
 現在の私の愛息でありパートナーであり名医であるウサギの「ポポ」にそう話しかけつつ、次にどんなメッセージを世の中に送っていけるのか考えている毎日です。

 さて、次回からはまた少し違った形での「どうぶつとにらめっこ」をお届けしましょう!
 楽しみにしていてくださいね!

------------------------------------------------
*、本連載は、都合により今回をもって終了することになりました。これまでのご愛読を感謝申し上げます。(yomone!編集部 2007年4月27日)


コメント

自分が迷い立ち止まっている間にも、周りは、地球は回り続けてる。
その地球の上には自分、人間以外にもたくさんの大切な命がいて。
地球はまぁるいから、何か悪いことをしてしまうと、必ずいつかグルっと回って後ろから返ってきてしまう。
だから自分に与えられた命、愛情はちゃんとまっとうしなきゃ、返さないといけないんだって思います(⌒_⌒)
周りの人たち、かわいい動物たち、大切な形あるものたち、形は無けれど胸に残る想い、すべて自分と共に生きていて、ずっと歩んでいくものたち。
アオムシも、でんでんも、レモンも、ミルクも、くるみも、ポポも、そしてマヒロさんも、こうしてココを通してココに「いてる」ことを教えてくれました。
愛を与えてくれました。
ありがとうございます。

次回からどう変わるんでしょうか。
楽しみにしています♪(⌒_⌒)

大変深い共感と感動をもって、今回の文章を拝読させていただきました。
 僕の買っていたインコ、ヒナのことは少しですが、この場で紹介させていただいたと思います。実はそのヒナを買う前に飼っていたインコ(ピヨ・・妹はこの手の名を付けたがる)がいました。そして忘れもしない。そのピヨがなくなった原因の最大のものを私が持っているということ。また機会があれば書かせていただきますが、その原因の作ってしまった当時(高1)は非常に大きな悲しみと自分への憎しみで一杯だったことを記憶しています。今では悲しみこそありますが、あれは事故だったと、少しは自分を責める気持ちも納まってきました。そしてそのきっかけを与えてくれたのは、他ならぬ二代目インコ、ヒナでした。
 こうやって書いていても不思議なのですが、ピヨの死を乗り越えるきっかけをくれたのがヒナの生で、またそのヒナの死は、我々家族に深い悲しみと、そしてとても大きな愛情を与えてくれました。先ほどマヒロさんが挙げた、愛情となってまた生きる。深く共感を抱きます。

いつも、素敵なお話で感動します。
いつも、読んだあとにあれこれ考え、自分の生きてきたことを振り返ってみます。
今回のお話は、今までのまとめみたいな感じですが、もしかしてこれが最後なんてことはないですよね。
ちょっと心配になりました。もし、なくなってしまったなら「幸せぴょんぴょん」で、動物のお話を書き続けてください。
でも、まひろ先生とミルクちゃんの写真、あったかで、とってもかわいいです。

Rainy さん

今回の作品では、「自分の過去とどうぶつたちとの関わり」を描いていきました。
連載はまだ続く予定です!次回からはやや角度を変えた作品作りをしていきますので、どんな世界を描いていくか、楽しみにしていてくださいね! 

さて、
そうですね!地球上には数多くの尊い命が存在しています。
それを傷つけると、やがてその傷が自分にまわってくる気もします。
そして自分自身のことも傷つけると、それも返ってくる気がしますよね。

そして、ここ数年思います。
使命を全うしたい、それを全うするために命も大切にしたいと。(たまに自分を酷使しすぎているかんもありますが…。(ーー;))

人生とは、体験の積み重ねです。そして気付きを得て、学び、成長して「ココ」に存在します。

Rainy さんも、いつでも「ココ」にいてくださいね!
次回作、どうしましょうかねぇ~。う~ん…。(@_@。

枕草思さん

「大変深い共感と感動」。
ものすごい感想。冒頭からいただき、こちらも感動です。

インコの「ヒナ」ちゃんのお話は、以前、書いていただきましたね。
今でも、多くの救いと愛を与えてくれる存在として、ご家族の心に生き続けているのですね。よくわかります。
私の心にも、うちの子たち、一人一人の愛が、今「ココ」に生き続けています。

そして「ピヨ」ちゃん。
大変、辛い思いをされたんでしょうね。もし機会がありましたら、そして、人にお話をしてもよいと判断されたなら、今度ぜひ聞かせてください。

わんこさん

あっ! 連載続くと思います。
安心してくださいね。
もちろん、オフィシャルブログである「宇月田麻裕の幸せびょんぴょん」でも、動物ネタ(=^・・^=) 、たまに書いていますので、読んでくださいね!

それと、「あったかでかわいい」だなんて…。もう~もう~  褒められてちょっとくすぐったい感じです。(*^_^*)
では、これからも「どうぶつとにらめっこ」楽しみにしていてください!(^_-)-☆
う~む。次回作、どうしましょう…。(^_^;)

お久しぶりです。日々是風水子です♪
おぼえてらっしゃいますか?
先生のご活躍いつも日テレのズームインのあかさたな占い等で拝見しております。先日先生の新しい
27キャラ占いの本を買いました!私は結婚しているのですが、若い人たちの恋愛のハウツー本としては究極の一冊だと思います♪
私も相変わらず、先生の本を通して宿曜星占術に魅せられてからというものの宿曜が切ってもきれないものとなり、自分の興味あるドラマがあったらその出演者や脚本家さんの宿を調べてしまったりします。すると、驚くべきすごい結果で出るので、宿曜恐るべき的中率!と驚愕とともに、感動が沸いてまいります!
最近、業胎の関係にとても興味があり、その恋愛模様にすごく興味があり、理解しようとしております。栄親とも違って、お互いにとって前世であり来世であって、不思議な縁で出会い結びつく関係…男女間だと恋愛に発展する確立って高いのでしょうか?

それと西洋占星術と宿曜占星術は星占いなのだから基本的に同じものなのか?まったく違うものなのか?ということに非常に興味があります…
宇月田先生、共通点と相違点がありましたら、是非教えていただけますとありがたいです。

日々是風水子さん

覚えていますよ。
HPのBBSによくコメントを頂いていましたね。
著書、読んでいただきありがとうございます!今、話題の「マリー・アントワネット」もキャラの一人で登場しています。

そうですね!この本は、「恋愛・結婚」テーマに書きましたので、恋に悩んでいる人や恋をしたい人にはピッタリだと。もちろん、結婚している人にも参考になる本です。

ちなみに、私の周辺の「業胎」の関係の人は、10年会わないのに会ったとたんに何かまた仕事するとか、また友達関係が復活するとか…。けっこう縁遠くなっても、またどこかで再会して縁が近くなることが多いです。

もちろん恋愛に発展する場合もおおいにあります。

西洋と宿曜の共通点は意外にも多いので、また色々と研究してくて下さいね。

またこの「どうぶつとにらめっこ」にも遊びに来て、感想を聞かせてくださいね!

連載が続くのですね。良かったです。
これからも、まひろ先生の作品楽しみにしています。

わんこさん

ありがとうございます!(^.^)

まひろ先生

宇月田麻裕の幸せぴょんぴょん読みました。
ぜひ、どうぶつとにらめっこでも、乗馬のお話書いてください。体験記とか、レッスン記とか…?わからないですけど、わんこも乗馬に憧れているのでぜひ聞きたいです!

わんこさん

よくご存知ですね。
最近、乗馬やっていますので、にらめっこでも「どうぶつ(=^・・^=)体験記」なんてテーマ書いたらおもしろいかもしれないですね(^^♪

まひろ先生

ご無沙汰しています。
「どうぶつとにらめっこ」の新連載、まだかな~と、いつも首を長くして毎日チェックしていました。
いつから始まるのかな~。
スタートするの楽しみにしていますね!(*^_^*)
最近、コメント書いていなかったので、書いてみました。
また、チェックしま~す!

ご無沙汰しております^^

トップのポポちゃんに呼ばれて来ました♪

天国にいってしまった彼らが、今、マヒロさんの愛に変わって生き続けているってとても素敵ですね。

新しい「にらめっこ」楽しみにしています^^

わんこさん

ご無沙汰です!
毎日、にらめっこ、チェックしてくださっているなんて感激です!
う~ん、なかなか新連載がスタートできなくてごめんなさいね。
また、これからも応援よろしくお願いします!(^_^)

rainbowmanさん

ご無沙汰です!
動物、そして世の中のすべての生きものたちの命は尊いですよね!
ポポ、私の愛すべき存在です。

最近、乗馬をしているのですが、私のことをいつも乗せてくれているのが「輝」という女の子。
会うたびに、この馬に対する愛情が深まっている今日この頃です。
もちろん他の子たち(馬)「ルーシー」「東輝」…、みんな愛おしい存在です。
最近、うさぎだけではなく、馬と触れ合うことが多くなり、さらに動物に対する愛情が深まっているのを感じます~。
rainbowmanさん、これからもよろしくです!(^^♪

まひろ先生

こんにちは。何の予告もない突然の最終回、とってもびっくりしました。
どうしたのか思い、とっても心配です。
体調でも崩されたのですか?

それと同時に、二ヶ月間ずっと毎日新連載を楽しみに毎日チェックしていたので、一ファンとして期待を裏切られた気持ちでいっぱいです。
他に楽しみにしていたファン人たちも、きっと同じく悲しい気持ちになっていると思います。


この記事へのコメントは終了しました。