2006年も終わりに近づき、この一年を振り返る方も多くいらっしゃると思います。
あなたの一年はいかがでしたか?
成功したり、失敗したり、そしてステキな出会いがあったり、辛い別れがあったり……。その出来事を振り返り学ぶことで、必ずや翌年に生きてくるはずです。
人間は人間社会の中で色々と学び、成長していく生き物なのですからね!(^^)v
年末年始特有の、なんとなくすがすがしい空気は、一年の分岐にそうで、そんなことを考えることが多くなるからかもしれません。
そこでこんなお話。
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久しぶりにハムスターの話に戻るとしましょう。
夫と別々の道を歩みはじめ、私が朝から深夜まで、まさに“生きるため”に必死で仕事をしまくっていた頃、彼らはやってきた。
彼らとはハムスターの「レモン」と「ミルク」のことだ。
離婚から数年が過ぎ、ようやくそれなりに仕事の依頼が舞いこむようになり、どうにかこうにか生活ができるようになった私は、カタツムリ以外の生き物を飼える余裕ができた。
「毛の生えた生き物と一緒に生活がしたい~」と無性に思うようになっていたのだ。
「毛の生えた」というところがミソで、哺乳類に近いというか、比較的感情を読み取れる生き物とのふれあいを持ちたがっていたのかもしれない。
レモンとミルク。
この2匹との生活は本当に楽しく、その愛らしさときたら、まさに「目の中に入れても痛くないほど」である(もちろん実際に入れたら、目が毛だらけになるだろうが……(~_~;))
驚いたのが、予想以上に頭がいいことだ。親バカではない。ハムスターは、見る人によっては「ただのネズミじゃないか」といわれることもあるが、まったくとんでもない話だ(`^´)
「ミルク~、レモン~」と呼べばちゃんと私の元にくる。
しかも行動範囲は家中なので、ときに寂しくなると彼らは私の仕事部屋にまできて、足元で遊んでいる。性格も違い、ミルクにいたっては、私が外出先から戻ると一目散に玄関に迎えにくる。
また、夜の12時を過ぎるとケージに入れる習慣が付いているため、仕事部屋に(毎日明け方近くまで仕事をしていたため)「そろそろ巣に戻る時間だよ。巣に入れてくれよ~」と呼びにくる。私が外での仕事でその時間を回るときには、自分で勝手にケージに戻っていたりもする。
「こんな小さな身体のこんな小さな脳みそなのに、なんて賢いんだ!」と、日々驚くことばかりだった。
まぁ、私の愛情のかけ方と躾(しつけ)の賜物(たまもの)かもしれないが……(^^)v
しかし、ハムスターの命は短い。せいぜい2年程度のものだ。
永遠にこんな幸せな時が続くわけがなかった。
ある日……。
大きなおめめのレモンの目が半開きになり、とても眠そうな顔をしていた。
様子がおかしい。
どんどんレモンの意識が遠のいていっているのがわかった。
ウトウト、カックン、ウトウトカックン……。
電車で居眠りして、ときおり目が覚める人のようだ。
レモンもミルクも私が手を差し伸べると、勢いよく手にかけのぼり、毎朝手の上で朝ご飯のヨーグルトをペロペロとなめるのだが、この日のレモンは力なく、かけのぼるというよりはよじのぼり、しがみつく……そういった感じだった。
それでも必死で私の手にのぼろうとしている。何度も崩れかけながらも、必死で……。私は彼のおしりを押してあげて手の上に乗せた。
その後、満足にヨーグルトをなめることもなくヘロヘロと手から飛び降りたレモンは、別のエサを食べようとしている。ウトウトヨロヨロとしながらも……。
そして、ケージの横に置いてあるお気に入りの小箱に入り、先に中にいたミルクに寄り添った。
数分後、そんなレモンが心配になり、小箱をのぞいて見た。
「え!!!!!!!!!!!!!!」
ミルクの横で……。
私は、何がなんだか理解できない。完全にパニック状態に陥った。わけがわからないままレモンを抱きかかえ、病院にただただ走った。走った。走った。
すると病院で「もう死んじゃっているね」と……。
獣医の言葉がかすかに耳に入ったか入らないか、それすらも自覚できない。
放心状態のまま家にたどりついていた。
どう帰ってきたのか、よく覚えていなかった。
「レモン、病院で死ぬより住み慣れた家から逝きたかったの? 私の手の上で死ぬより、大好きなミルクの隣で逝きたかったの?」
信じられない気持ちの中で、レモンと過ごした1年と数ヵ月が走馬灯のようによみがえってくる。
レモンはミルクの隣で安心して天国に旅立っていった。
しばらくの間、私はするべき仕事をこなしながらも心の中はつねに空虚だった。何日も何日も悲しみにふけった。完全に「ペットロス」状態だ。
そんな中、あることに気付いた。
きっと、子供のように可愛いペットたちと一緒に生きていくことで、私のように幸せを感じている人たちは世の中にいっぱいいるはず。
愛に溢れた生活をしている人たちはいっぱいいるはずだ。そして、悲しみにふける人たちも……。
この気持ちを何かにぶつけたい!
同じ気持ちを持つ人たちと何かを分かち合いたい。
それが人々の役に立つならば!
気持ちを込めて企画書を作成し、共感者を募る。
担当の編集者とともに企画を練りに練っていく。
何日も取材を重ね、それを原稿にまとめていった。
文章もこだわり続けた。
美しくなくていい。私がレモンに持っていたありのままの愛情をぶつけていった……。
時がたつのは早いもので、あっという間に編集作業も終わり、レモンの話も含めた複数のペット・エピソードが『心に残るペットと人との感動ドラマ』(学研)という一冊の本になった。
「レモン、おまえは、多くの人たちに何かを与える事ができたんだよ。多くの人たちがおまえのもとに集まってくれたんだよ……」
レモンは笑っている。
この本の中で。
私の中で。
今も。


