プロフィール
宇月田麻裕
作家・エッセイスト、開運研究家。ハッピネスファクトリー®代表(http://www.happiness-f.com/)。執筆、テレビ出演、講演、WEB企画プロデュース・監修など幅広い分野で活動。動物をはじめ、恋愛や結婚をテーマにした著作を数多く発表。著書に「心に残るペットと人との感動ドラマ」(学研)ほか。 

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2006年12月 5日 (火)
カタツムリ編6 ひきこもり

 最近、「ひきこもり」という現象が問題になっているとニュースで見聞きする。
 かなりかいつまんで言えば、ひきこもりとは学校にも会社にも行かず、自宅に閉じこもったままになり、自宅という自分の世界の中だけで生きていこうとすることになるだろう。
 人に会いたくない……。何もしたくない……。
 その原因はさまざまなところからくるものだろうが、一度ひきこもってしまえば、なかなか簡単には表に出てこられない。自分に自信がなくなってしまうのだろう。
 人間だけでなく動物の世界にも「ひきこもり」はあるのだろうか?
 今までの「どうぶつとにらめっこ」をお読みいただいたあなたならば、動物に感情があることはおわかりだろう。
 そこで、こんなお話。

 ※

 前回、「でんでん」に、愛妻「ちゅっちゃん」が嫁いだ話をした。
 今回のお話はそのちょっと前のことだ。

 でんでんが我が家にやってきてから夏が過ぎ、秋が過ぎ、初冬を迎えようとしていた頃。
どういうわけか、殻に閉じこもるようになった。
 初めてカタツムリとの冬を迎える私は、何でそんな状態になるのかを理解できないでいた。
 エサはちゃんと与えている。
 室温も一定を保っている。
 ケンカなどは一度もない(あたりまえだが)。
 なのに私を無視するかのように閉じこもり続ける。
 アッ、もしかしてグレちゃった?
 カタツムリなので服装やヘアスタイルが変わるわけでもなく、感情がわからない。

「でんでん、何で最近、殻に閉じこもったままなの~。そんなんじゃダメだよ! ほら、前みたいに顔を出して元気よく、私の手の上に上っておいでよ」

 しかし、長いときには殻の出入り口に蓋まで作り、1週間以上も顔を見せてくれないこともあった。「死んでいるんじゃないの?」なんて思うこともしばしば。

 元気のないでんでんを見ていると、ほんの数年前の自分の姿と重なる。
 結婚していた当初、ストーカーや嫌がらせをする悪意ある人たちの恐怖にいつも怯え、  部屋の中にひきこもり、人との接触を避けて、自分の殻に閉じこもりっきりだったあの頃。
 何かを話そうとしても頭の回路と口とが合致せずに言葉がちぐはぐになったあの頃。
 人と話すことが困難で、人に会うなんてとんでもなく、自分ひとりのほうが安心だと思えたあの日々。
 しかし。

「ダメだよ! そんなんじゃ! 人は(正しくはカタツムリはだろうが……(^_^;))ひとりきりでは生きていけないんだから! 早く殻から出ておいで!」

 あまりにもひきこもり期間が続きすぎるので、さすがに心配になり、この状態は何を意味しているのかネットなどで調べてみた。
 もしかして、カタツムリも自閉症になるのか……。

 \(◎o◎)/!  
 原因は「冬眠」

 カタツムリが冬眠するなんてビックリ!
 やはり自閉症だなんて、そんな訳はない(~_~;)
 でんでんが健康であることを知った私は、安堵のあまりイタズラ心を止めることができない。
 でんでんを加湿器に当てて温める。無理やり冬眠から覚ませて、寂しい乙女の話し相手にしようとした(虐待?)。
 ただし近付けすぎると加熱しすぎてエスカルゴになる。気をつけて、適温で。

 はい、おはよう。でんでん。

Utukitaa_snail  きっとでんでんは、「おい! マヒロ。安らかな眠りについているのに、何起こしているんだよ!」とムッとしているに違いないだろう。
 でも彼はちょっと眠たそうで不機嫌な顔をしていても、すぐにいつもの元気なでんでんに戻ってくれた。
 手のひらに乗せると上へ上へと指を上る。相変わらず指の天辺が好きで、そこに辿り着くと「次どうしようかな」と考えているのか、クビを(上半身を)左右に振った。

「そうそう、オマエはそうしている姿が一番よ」

 冬眠から起こす快感(?)を覚えた私は、それからしゅっちゅうでんでんを起こしては遊んでいた。
 そうしないと、せっかく立ち直りかけた自分がまた心の奥に引っ込んで、永い眠りに入ってしまいそうで怖かったのかもしれない……。
 冬眠中のカタツムリを叩き起こし続けた女が言うのもおかしいが、私はもう殻の中に閉じこもり、ひきこもりたくはなかったのだ。
 ひきこもったとしても……でんでんに仕返しとしてたたき起こされたかもしれないが……(~_~;)

コメント

でんでん、結局冬眠は出来なかったんかな・・・w

最近すっかりひきこもり気味になってきてて、タイムリーな話でした;
人を信じること、自分自身を信じることはもっと難しくて・・・;

オレにもでんでんがいたら、同じようにしてるかも;w

Rainyさん

Rainyさんは、とっても感性が豊かな人なので、きっと色々なことに傷つき、考えることも多いのでしょうね。

私もけっこう繊細なほうですが、でもきっと私の方が楽観的なのかな。

最近思うんです。何事も現実のままを受け入れること。そして、何も自分にも他人にも物にも期待しないことです。

そうしたら、少しは楽に生きられる気がします。

でんでんは、半冬眠でした。完全に冬眠させてしまうと、命の危険もあるようで、数日に一回は、たたき起こしていました。(ーー;)

マヒロさんとでんでん君との当時のやりとりが文章からほんと目に浮かんでくるようです。流石作家さんですね。細かな描写ができるのは女性ならではの感性というものの表れですかね。
 我が家の馬奈々は相変わらず元気で冬眠するのを忘れているくらいです。今さっきもタッパウェアーの住いから脱出を図ろうとしているところを私に見つかってしまいました。 蓋の上の重しをひっくり返したままバツが悪いと思ったのか馬奈々の動きが止まっています。蝸牛は結構力あるんですねぇ。新しい発見が毎回なんかしらありますね。

眠いのを起されちゃっても元気なでんでんは偉い!!!
寝起きの悪い私は、眠いの起されると不機嫌極まりないです。。。ヾ(_ _。)ハンセイ…

横須賀夫婦さん

ありがとうございます!
馬奈々ちゃんのオテンバぶり、プリティー振りが伝わってきますぅ~。
蓋の重しを諸共せず・・・。
これが、集団120匹くらいになると、より一層パワフルですよ~!

かりポン さん
私も朝は苦手です。(~_~;)
今朝8時過ぎ、宅配が…。ピンポーン!
ちょっと不機嫌になりました。

たまにお仕事で早朝起きがありますが、まず3時間くらいめまいが止まらず…。1日中、ポーとしているし…。
でも、低血で朝苦手な人には、この症状共通しているようです。かりポンさんは?

人間でも懐疑したり、物思いに耽りたい時などは引きこってしまうものですね。ですが昨今では会社や学校、果ては家族に至るコミュティに馴染めず、引きこもってしまう人が増えているような気がします。
カタツムリの冬眠を引きこもりと表現するのは面白いと感じました。またそれは以前にそのような状況にあった、マヒロさん自身の境遇を重ねて見ていたからでしょうが。
冬眠もあるいは引きこもりの要素があるのかもしれません。ほかならぬ春の訪れを待つための期間。冬眠も引きこもりも、さめるためにするという点において。

枕草思さん

メッセージ遅くなりごめんなさいね。
人間でも、動物でも、引きこもり?期間というのは大切な時間だとも思います。

いわば色んなことを模索する、充電期間とでもいうのでしょうかね?
そして春の訪れを待つ。
そう考えるとパワーが出てきてワクワクしますね。

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