フットサルのお誘い
体脂肪を燃やすことに燃えてきた。
縦横10メートルの紙に、大きな筆で「痩せる!」と書きたいくらいだ。
やり続けるのが難しいだけで、やれることはたくさんあるはず。今にも走り出したい気分。そんな時に事務所の後輩芸人から一本の電話が……。
「関さん、今度事務所のメンバーでフットサルやるんですけど。来ませんか?」
フットサル……サッカー……。
以前事務所でサッカーチームを作ることになり、皆でお揃いのユニフォームを作ったことがある。その時僕は、作ったところで試合には出れないだろうと、ユニフォームを作らなかった。
だが、試合に行ってみて驚いた。
な、な、なんと、金なしの貧乏芸人全員ユニフォームを買っていたのだ! ユニフォームを作らなかった僕は、当然試合には出れず、高校のジャージでベンチに座っていた。
そんな僕を見て、周りの人は、“太っているくせに、やたらサッカーに詳しそうなマネージャー”だと思っていただろう。
試合後、皆はうまそうにポカリを飲んでいた。俺だけがいつもと同じ味のポカリを飲んだ。
あの時の寂しさはもうイヤだ!
今の僕は、ずっと敬遠してきた運動にも積極的に参加するんだ!
「もちろん行くよ!」
後輩にそう告げた。
後輩にとっても予想外の返事だったのだろう。
「本当ですか?」と、3回ほど聞きなおされた。
今までの人生でサッカーなんて幼稚園の時にしかやったことがないもんだから、ルールもなにもホントに分からない。
日本がサッカー一色になった時だって、そのせいで皆の会話に入れなかったし、おもしろい番組がやっていないことに腹を立てたりしていた。
戦略もフォーメーションもポジションもオシムも……全然分からない!
そんな僕がフットサルなんて出来るのだろうか? 太ってるサッカー選手なんて見たことねーぞ! などと、いろいろ考え始めたら、注射を打つ前の日より緊張してきた……。
いざ試合当日!
フットサルの日、いつもより早めに起きて朝飯を食べる。食べなきゃ動けない気がして……。でも重いものではなく、カロリーメイトなんかをかじってみた。
アスリートな感じの自分にうっとり。
あずき色のジャージと、Tシャツ、タオルをリュックに詰め込み、いざ出発!
気分は外国に出発する日本代表選手のようだった。
フットサル場にはすでに皆が集まっていた。どいつもこいつも軽い気持ちで来てやがる。昨日バイトで寝てない奴もいるし、なぜか女性までいる。
何ごとも気持ちが大切!
試合を前に気持ちでは勝っているなと思った。
そのフットサル場はビルの屋上にあり、キレイな人工芝と突き抜けるような青い空が、僕を出迎えてくれた。
「こんな所でおにぎり食べたら最高……」
ハッ、危ないっ!
またそっちに行ってしまうところだった。ここはフットサルをする場所! おにぎり食べたきゃ富士山にでも登ればいいんだ。五合目あたりで食べちゃいそうだが……。
ダサダサのあずきジャージに着替える。周りを見れば、皆どっかの国のユニフォームを着て、かっこよくキメていた。僕だけが芋煮会に参加した父兄のようだ。
そして、皆フットサル用のシューズを履いている! なんなの? フットサルシューズって皆が持ってるものなの?
日本で僕だけが持っていないような気分……。
だからって関係ねーや! 靴で勝てるならワールドカップは靴のファッションショーになるはずだ!
僕はずっと普通のスニーカーでやってやるからな! しっかり見てろよ!!
負けてられるかと頭にタオルを巻いて、気合をさらにチャージ!!
「7分ハーフでいきまーす」
誰かがそう言った。
7分も走れるのか? 最近全力で走ったのはいつだ? 電車の時間がギリギリだって走らないのに平気なのか?
そんなことを考えているうちにキックオフ。走り出した自分の体の重さに驚きながらボールを追いかける。
「パス!」
「走って!」
「サイドあいてる!!」
いろんなことを言われるが一つも出来ない。それどころか途中からは自分の息切れがひどくて指示すら聞こえない!
グラウンドを走ってるというより、グラウンドを早歩きしてる感じ。しかも表情は、カラスにつつかれたゴミ袋のようにぐちゃぐちゃ。必死も必死!
自分の中で何かが変わった
必ず死ぬと書いて「必死」。
男には分からないと言われてるけど、「出産」ってこんな感じなんじゃないだろうか? 僕なんて生きていくだけで必死なのに、こんなにつらいことしたら死んでしまうぞ! なんて考えているうちに、心臓の鼓動は「ドクンドクン」から「ドドドドドドド」に変わった。
いや! あまりに早く脈打つもんだから「ドーーーーーーー」になっていたのだ。
もはや何を言われているのかさえ分からなくなってきた……。さっき、出迎えてくれたキレイな芝生と青空は、もはや僕の目には黒い人工芝と紫の空に映る。その上を必死で歩く。
今の僕ならコンビニで買い物をするような感覚で、「死」を簡単に手に入れられそうだ……。
その瞬間、殴られた時のうめき声のように自然と声が出た。
「誰か代わってーーー!!」
戦場から逃げ延びた兵士のようにグランドの外へ……。時計を見ると2分もたっていなかった……。もう少しは出来るだろうと思っていたのに……。
終わった時に飲むはずだったポカリは、あまりの気持ち悪さでまったく飲めなかった。
やっぱりいきなりは無理か……。
でも! 今までの僕なら二度とサッカーなんてするもんか! そう思っていたに違いない。しかし、今日の僕は死ぬ思いまでしたけど、もっと体重を減らし、体力をつけてリベンジしたいと強く思った。次は、皆と同じ味のポカリを飲むんだ!!
この前向きな気持ちで頑張ろう!!
そして僕は、帰りにフットサルシューズを買った。

関サン随分と頑張りましたね(^-^)
いきなりスポーツとかやると、心臓の鼓動が異常な程早くなりますよね!
僕も、時々 中学校の部活(剣道部)に行くんですが、体力が全く続かないです?
関サンも今度は皆さんと同じ味のポカリを飲めるよう、頑張ってくださいね!!
でも、あまりムリしすぎないよう気を付けてください。
投稿: キクチヨ | 2007年4月 6日 (金) 20:13
お疲れ様です!
私は中高で水泳やってたんですけど、
受験で半年泳がなかったら、
25㍍を全力で泳ぐだけでかなりの息切れでした(゚Д゚;)
なので、いきなりフットサルやった関さんは大変だったと思います!
でも、運動のあとのポカリはやっぱりおいしいから、
それを楽しめるようになれるように頑張ってくださいっ!!!
でも程々がいいと思いますよっ
投稿: ちさと | 2007年4月 7日 (土) 20:21
おっ
とうとう「動けるデブ」のキャッチコピー(?)通りの本領発揮ですか。
モー娘。さんたちと訓練して、いずれナイナイと対戦してください☆
投稿: S*H*A*M | 2007年4月 9日 (月) 03:50
お疲れ様です(〇^∀^〇)
いきなりはだめなんですね
これからちょっとずつちょっとずつやっていけば、
きっと今度はみんなと同じポカリが飲めますよ(^∀^)
投稿: なごやのあきんた | 2007年4月10日 (火) 17:34