カロリー表示を気にしてみた!
痩せていく上で外す事の出来ない問題。それは食事制限!
こんな四字熟語は本当のところ、大っ嫌いだ! 今までは運動して落としていく方針でトライしてみたものの、動けばそれだけ腹が減るので、今まで以上に食べてしまう事があった。空腹は最高の調味料ってのは本当である。
そういえば、今まで生きてきてカロリー表示を見た事がない事に気がついた。カロリーを気にせず食べていたのであたり前なのだが、これからはカロリーを気にしつつ生活する!
調べてみると、成人男性の一日に必要なカロリーは2500kcalらしい。
これだけで足りるもんなの? 僕は今まで27年間、毎日その倍の5000kcalは食べてきたんじゃないだろうか? 単純計算だけど、今まで沢山食べてきたんだから、54歳まで何も食わずに暮らせたらいいのに……。でもそうもいかないんだよね~。
とりあえずは一日の目標摂取カロリーを決めようじゃないか。
2500kcalまでにしよっと。……待てよ。
普通に2500kcalを摂っていたら今の体重を維持するだけなんじゃないか?
もう少し減らしてみよう。……2000、いや1250kcal!!
うん! 半分で行こう。これならきっと体重も落ちるだろう。でもな~、いきなりすぎて続かないんじゃ? でもこのくらいの事できないようじゃなー。迷うな~。つくづく自分の優柔不断さにあきれるよ。
駄目だ! 1250kcalで行こう! 今まで自分のカラダが可愛くて餌をあげすぎた。きっとこのままでは、自分の子供はもちろん、犬を飼っても太らせてしまう。ライオンは子供を谷底に落とすくらい厳しいと聞く。僕は自分に対して、這い上がってくる子ライオンに石を投げつける心を持とう。
それ位の厳しさで行かなくては!
晩御飯はサラダ、のみ
その日の晩飯から早速実践してみる事にした。遅くに仕事が終わり、食事はコンビニ飯だ。普段は食べたいものを、食べたい以上に買うのだが、今日からはそういうわけにはいかない。とりあえずは弁当のコーナーに立ち寄ってみる。企画だけでちっともうまそうじゃない弁当が多いのがさみしい。牛カルビ弁当でいいやと手に取りカロリー表示に目を向ける。
「850kcal」
なんと! こんなにカロリーがあるのかい!? 今日は昼にこの手のものを食べたから、こいつを食べると早くもオーバーしちゃうよ!!
今までこの手のお弁当は小腹が空いても食べてたわけだから、そりゃあ太るはず。
何年か前までコンビニでアルバイトしてたときには深夜のヒマも手伝って、一晩に3つくらいお弁当食べてたもの。それだけで簡単に2,500cal超えてたんだな。朝、昼、晩晩晩と食べてたわけだ!
そう考えるとカロリーを気にするのはあたり前なんだな。
トイレを使ったら水を流す。
家を出るときはカギをかける。
お弁当を買う時にはカロリー表示を見る。
あたり前の事にしよう。とりあえず今晩は昼食べた事も考えて400kcalくらいの食事にしよう。カロリーの低いもの代表といえばこれかな……サラダ。
食いたくね~な~。晩御飯ってのは一日頑張った自分へのごほうびなわけですよ。だから肉なんですよ、本来。
一緒にご飯を食べに行ってサラダだけ頼む女性に引いた事がある。居酒屋でソフトドリンクとサラダだけしか頼まない女性を、外国人だと感じた僕。そんな僕がサラダだけ食べるとは……。
太っている僕を応援してくれる人もいる。サラダを吟味するこんな姿は見られたくない。まだSM倶楽部から出てくるところを見られた方がましだ。
早めに選ぼう。少しでも自分の好きなものが食べたくて、ツナの入ったものを選ぶ。ドレッシングは別売りでいろいろあったのだが、ここまでカロリーを気にしたのだからと、一番カロリーの低い「和風ドレッシング」にした。
ありがとう、母さん……
家に帰り、カロリーの低いお茶とサラダをテーブルに並べる。
何だ? このメニューは?
結婚して、嫁がこんな晩御飯しか用意していなかったら、おそらく文句を言う前に離婚するだろう。たっぷり慰謝料をとって、焼き肉を食べに行くだろう。
胃が「腹減った」とうるさい。仕方なしにサラダを食べる。
それでもさみしくて、さみしくて、つい実家に電話してしまった。
「今日はサラダしか食べてないよ……」
そんな僕に、母は明るく言った。
「最高じゃーん!!」
自分の息子の肥満には少なからず心配があったのだろう。普通の親がこんな事を聞けば、「ろくに御飯も食べられないの?」、「ちゃんと食べなさいよ」そんな事を言いそうなもんだ。
「サラダに和風ドレッシングをかけてるの……」
母は言った。
「ドレッシングなんてかけずにそのまま食え!」
泣きそうだ……。
これ以上僕からカロリーを奪うのかい?
お腹に僕がいるときは、僕の分までカロリーを摂ってくれたのに。
「じゃあまた電話するよ……」
同情してほしくて、少し暗めの声でそう言った。
母はそんな僕の言葉を受けてこう言った
「はいよ! ドレッシングかけるなよ~」
母ちゃん……、それはさっき聞いたよ……。
もっと他に東京で頑張ってる息子に対して言う事はなかったんかい?
もう少し若いときにそんな事言われたら、僕、ぐれちゃうよ。
起きてると何か食べたくなってしまうので、今日は早めに寝るとしよう。
布団に入るが腹が減って寝付けない。
羊を数えるが、途中からステーキになって出てくる。
多分ソースは和風ソースだろう。
こういうときは楽しい事でも考えようと、明日起きたら何を食べるか考える。
しだいにウトウトしてきた……。
そのとき!
ピリリリリリリ
携帯がメールの着信音を鳴らした。もう少しで眠る事が出来たのに!
こんなにいろんな機能が付いてるんだから、寝かかってるときには自動でマナーモード付けてくれよ!
起きてからチェックしようと思うが、気になって眠れない。
開いたときに顔を照らされるのは嫌だったがしょうがない。
メールを開く。
「ドレッシングはかけないほうが体にいいよ」母。
最後に付けられた笑顔のマークが余計に腹立たしい。
母さん……ありがとう……。
こんなにも僕の事考えてくれて……。
母さんも体には気を付けてね……。
僕からも母さんにひと言、言わせてくれ……。
「もう寝ろっ!!」




