プロフィール
関智大
1979年8月5日生まれ、群馬県出身。お笑い芸人を目指し、1998年に東京アナウンス学院のコメディー科に入学。そこで出会った山本浩司とタイムマシーン3号を結成する。NHKの「爆笑オンエアーバトル」ほか、多数の番組に出演。動きのあるテンポのいい漫才で人気を集める。
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2006年9月25日 (月)
この肉っぷりと分かれるとき

人恋しい季節となりました……

 前回、『痩せることによって男としての自信を持ち、彼女を作る』といういかにもモテない男が立てそうな目標を作った!

 これからの肌寒い季節には、とても人恋しくなる。満員電車にもまれてみても、人恋しさは解消しない。
 やはり大好きな彼女が隣にいてくれてないと。
 
 それにしても、彼女を作るための目標の第一段階である「痩せる」ことが難しい。ロケットもまずは打ち上げが成功しないかぎり、宇宙には行くことはできないのだ!
 「痩せること」がいかに難しいかは、本屋のダイエットコーナーの量の多さを見ても分かると思う。
 ダイエット…聞いただけで嫌になる響き。俺のなかではベストジーニスト賞ノミネートよりも関係のない言葉だったわけですよ。
 思春期に何度か挑戦しようと、計画を立てた時点でいつも断念していたのに、それを27歳にしてもう一度挑戦しようとしてるんだから、果たして体力と気力がもつのかどうか……。

 だってさ、食べるって人間だけでなくて生きもの全般が本能として行う行為なわけでしょ?
 本能に逆らうなんて神様相手に中指立てるようなもんだって。
 夏に重ね着をしているおシャレな友達に「暑くないの?」と聞いたとき、「オシャレには我慢が必要なんだよ」と言われたことがある。痩せて美しくなるのもこれと一緒で、我慢なくしてありえないものなのだろう。
 僕はオシャレにもなりたいけど、服のサイズがないのをいいわけにしてきた。
 これから痩せていったら、今よりもオシャレになれるかもしれない。オシャレもモテる要素のひとつだから、やっぱり痩せることがモテることにつながるのは間違いなさそうだ!

 でも、痩せることに対して申し訳ない気持ちもある。応援してくれる人のなかには「せきちゃんはその肉っぷりがいいんだよ」と言ってくれる人が結構いるんです。
 ファンの気持ちを裏切らないのが偉大なスターでしょ? ここっていう場面にホームランを打つからファンが応援してくれるんでしょ?
 痩せるという行為は、そんな人たちの気持ちを裏切っているのではないだろうか……。
 でも、ファンが恋人になってくれることは、まずなさそうだし……。
 脂肪吸引の技術がもっと発達して、自分で気軽にできるのならコンパやデートの時に痩せて、仕事の時に脂肪注入して舞台にあがるのにな。
 それでもやっぱり自分でたてた目標なんだから、行けるところまでがんばってみよう!


運動嫌いじゃないんです

 とりあえず痩せるにはいくつかの方法がある。
 やっぱりよく耳にするのは、“運動”、そして“食事制限”。
 とりあえずは、“運動”からやってみよう!
Undo_sureba_yaseruhazu  いまでそこ100キロの体重ですが、小学校では野球部に入り、毎日練習をしていた。“ピッチャーで4番!”とまではいかないけど、キャッチャーで5番を務めていた。キャッチャーやるくらいだから、少しは皆よりもぽっちゃりしていた。
 中学、高校の六年間は軟式テニス部。自主的に朝練に通い、部活が終わってからもボールを打ち込んでいた。なのに実力はまったくダメで、試合の一回戦すら勝てなかった。
 今思えばあまり向いてなかったんだと思う。ボールみたいな体型のヤツで球技してる人をあまり見たことないもんね。

 向いてない競技もあるだろうけど、だからといって運動嫌いじゃないんです。
 東京だとなかなかやるスペースや仲間がいないだけなんです。
 東京にきて9年間、まったく運動していないこの贅肉マンを筋肉マンに変えるとこから始めてみよう。何をしたらいいのか考えた結果、最初に思いついたのが「水泳」だった。水泳は全身運動。全身ってことは爪やくるぶしまで疲れるってことでしょ?
 これならあっという間に痩せるんじゃなかろうか?
 しかもデブの嫌いな汗だって、水の中ならかいてるかどうかすらわからないだろう。僕が入ることによって海水みたいな塩分になってしまうかもしれない。
 それでも運動したい!
 こんな気持ちは久しぶりだ。この気持ちが冷めないうちに海パンを買いにいこう!
 サイズがあることを期待して!!

2006年9月12日 (火)
太っていることの悩みは、それこそ波の数ほどある!

太っていていいこと、悪いこと

「太っていてよかったこと、悪いことを教えてください!」

 雑誌の質問でそんなことを聞かれたことがある。

 よかったこと……、なんだろう?

 もちろんお笑い芸人としてやっていくうえでは、太っていると覚えてもらいやすかったり、デブならではのお笑いネタがたくさん作れる。ライブ終わりにお客さんにファンレターと生の米をもらったこともある。普通の人が服を脱ぐよりも3倍はおもしろい。

 そのぐらいだろうか。

 もしこれが普通の仕事をしていて太っていたら、どんなよいことがあるのだろうか?

 ……よくわからない。

 逆に太っていて悪いことを考えると、それこそキリがない!

 もちろんよく言われるのは健康のことだ。太っていては、カラダにいいわけがない!

 仕事でデブの芸人さんやタレントさんに会うと、「最近仕事順調なの?」なんて会話よりも先に、「膝平気? 腰平気?」みたいな会話をコーラ飲みながら交わす。それだけカラダに対する負荷がすごいというわけだ。

 そのほかにも太っていて悪いことなんて波の数ほどある!

 トイレに入れば夏場なんて暑くてミニサウナだ。お尻よりも額の汗を拭く回数のほうが多い。ウォシュレットの水が肛門まで届かない。しかも重みで便座が割れることを想像すると、まったくリラックスできない。

 友達と飯を食いにいこうと人ごみを歩いていると、僕はうまくすり抜けられないのに、その友人はスルスルと歩いて行ってしまって、はぐれたことがある。やっと合流して何を食べるか決めようとすると、僕は何も言ってないのに「中華でもいいよ」と言われた。僕ね、油で炒めたものでなけりゃダメってわけでもないんだよ……。

 そして洋服の悩みもある。100キロになる前は、なんとかXLなら着ることができたのに、100キロにさしかかるあたりから、やけにXLの服を小さく感じるようになった。着る瞬間に“脱げなくなるのでは……!?”と、恐怖を感じるほどだった。誰かの指輪をはめてとれなくなったときの恐怖と一緒だ。

 おまけにXLのTシャツを着てもパンパンなので乳首が目立つ。すれて余計に元気に目立つ。だから僕はそれほどシャラポワに興味がない!

 B-BOYみたいに大きめの服をすすめられたことがあるが、色白メガネの僕にはまったく似合わなかった。カラダの大きい人専門の服屋にも行った。いったいどんなヤツが買っていくのか、4XLなんてサイズもある。ノンブランドなのに値段が高い、使う生地が多いので値段が高いのだろう。そして当然店の中には、デブ! デブ!! デブ!!!! 「あなたもですか?」なんて声をかけたくなる。

 ただ種類は豊富で、“こりゃいいとこみつけたぞ”なんて思っていたんだけど、あとあとテレビを見て気づいてしまった。石塚さんや内山くん、塚地さんなどの名立たる人たちが、その店の服をチョイスしていたのだ! 同じ服を着るのは恥ずかしい。ただのファンみたいに見えるではないか。

 しかも後日、黒字にピンクのローマ字がプリントされたTシャツを着ていると、横を通り過ぎる外人さんがチラッとこっちを見て笑っている。気になったのでその文字を英和辞書で調べると、胸にでっかく「食いしん坊」と書かれていることが分かった! はまりすぎである! 服を着ていなかった原始時代が羨ましい…。

いきなり結論、デブはモテない!

Motetakute  そしてなんといっても問題なのは「モテない」ということ。太ってる人全員というわけではないけれど、僕のなかでは太っていることはモテる要素ではない。ドラマや映画、漫画でもそうだけど、コメディ以外の主役はみんな痩せている! そしてモテている! モテる男にゃ自信がある。金なのか顔なのか肩書きなのか、中には根拠のない自信をもってるヤツもいるけど、とにかくモテるヤツからは何かしらの自信を感じる。

 僕は、いざ女の子が隣にきても、“ど-せ太っている僕になんて興味ないだろう”、とネガティブな考えになってしまう。上京するとき、“東京には「デブ専」の女の子がたくさんいる!”と勝手に思っていた。けれどもなかなか遭遇できないことを考えると、どうやらデブ専はUMAの仲間らしい。運がないだけなのか、今まで見たことも会ったことがない。もしかすると、“僕はデブ専にも好かれないデブなのか……”と、さらにネガティブになってしまう。

 僕も27歳。いつまでも一人でいるのは淋しすぎる!

 クリスマスやバレンタインデーの醍醐味を知りたい! 彼女が欲しい! すごく勝手なイメージだけど、世界にはこんな法則があるのではなかろうか……。

 痩せる→モテるはずだという自信がつく→自然にモテる→彼女ができる!

 これだ! これしかない! 今の自分はキライじゃないけど、何かを得るためには何かを犠牲にしないと。僕は脂肪を犠牲にして彼女を手に入れようと思う。

 いきなりは無理かもしれない! でも、コーヒーにシロップを入れないくらいからはじめて、必ず幸せになってみせるゾ! ……と、なる気になってみる僕なのであった。
(つづく)

2006年9月 4日 (月)
人一倍食うことが大好きな僕の漂流記!

はじめまして! 「タイムマシーン3号」の関智大です!

I_am_very_hungry

 皆さんはじめまして! 若手お笑い芸人「タイムマシーン3号」の関智大です!

 名は体を表すと言いますが、名前に入っている“大”の文字が表すとおり、僕は身体が大きいんです。それも横に大きい、つまり太いんです!

 生まれたときはシルバニアファミリーみたいに小さかった僕が今や100キロ。産湯すら飲んでしまう食いしん坊ですから、当たり前と言えば当たり前なんですけども。それでも幼稚園の頃は痩せていたし、どちらかといえば肉より野菜をよく食べてました。5歳にしてOL並みの食生活でしたよ。

 生まれたのは群馬のド田舎。航空写真を撮っても緑と茶色しか写らないようなところにある実家では八百屋で売っているような野菜がひと通り採れたので、キャベツをレタスで巻いて食べたりしてました。精進料理でさえボリューム満点に見えるような、本当にヘルシーな食生活。学校の帰りに炭酸ジュースを買うことはなく、ましてやおやつにポテチなんて想像すらしない代物だった。ポテチと言われて出てくるのは、本当にじゃがいも。あとは薩摩芋を天日で干したものや、山で採ってきた柿や栗やあけび。冷蔵庫には麦茶か牛乳。親が本当にお菓子やジュースを与えてくれなかった。

 加えてその頃は運動もばっちりだった。まわりにゲームセンターなんてもんはない。家にはファミコンもない。テレビはあったけど、じぃちゃんが支配していて、興味のないNHKばかりにチャンネルがセットされていた。だから、いつも外で遊ぶ子どもだった。

 舗装されていない、アップダウンの激しい山道を走り回っていた。畑を走り回った。棒で意味もなく農作物を荒らしてまわった。その行為に比べると、猿被害なんて可愛いもんだ。あいつらは生きるために荒らすが、俺はやることがなくて畑を荒らしていた。外で一時間位、くるくると回り続けていたこともある。何もないから体を動かすことしかやることがなかったんだと思う。

 家の手伝いもよくやっていた。小学校にあがると、じぃちゃんに山に連れられ、大人でも足を踏み外せば転げ落ちてしまうような急斜面で、丸太を運ばされた。シイタケの苗木を作るためだ。しっかりと丸太をかかえ、足を踏み外さぬよう一歩一歩、丸太を運ぶ。ピラミッドに積み上げる石を運ぶ気持ちだ。もし、小学校の体育の授業でこんなことをやらされていたら、まちがいなくPTAで問題になるだろう。そんな過酷な手伝いもしてたから、僕はすごくスマートな小学生だった。アスリートって呼ばれてもおかしくない体だった!

 それなのに、それなのになぜか小学校2年生の頃からどんどん太りはじめた。体育の授業の後、なぜか内腿が擦れて痛い。股擦れとの出会いだった。

太りはじめたのは、いったいいつ頃だったんだろう……

 今思い返せば、この頃からやたらと食べることに執着しはじめた。今まで野菜ばかり食べていたリバウンドなのか、とても肉が好きになり野菜が嫌いになった。ヘルシーだったおやつも、いもの代わりにおにぎりを食べるようになり、柿の代わりにインスタントラーメンを食べるようになっていった。もちろんインスタントラーメンを食べた後は、残ったスープにご飯を入れて食べていた。おばあちゃんがアイスでも買っておいでと僕と妹におこづかいをくれたときも、おいしそうにアイスを食べる妹の横で僕はツナ缶を買って食べていた。給食の時間もすごく楽しみになった。クラスの誰よりも「おかわり!」という言葉を繰り返した。カレーが出た日は、散々おかわりした挙げ句、皆の皿を舐めていた。今思えばとてつもなく卑しい行為だけど、友達は笑ってくれるし僕はおいしいしで楽しくやっていた。

 そんなこんなで中学に入る頃には立派な肥満児になっていた。中学校で恋でもしてりゃもう少し痩せようとしていたかもしれないけど、その頃にはふざけて皆の笑いを誘うことの方が楽しくて、オシャレとかダイエットとかはまったく頭になかった。

 高校に入ると同時に僕は下宿することにした。これもまた僕の体重を増やす原因になった。なぜなら下宿の近くにコンビニがあったからだ。昼夜を問わずにおいしいものがたくさん売っている! 今までにない幸せ。光に虫が集まるように、自然と体がコンビニに向かってしまう。飯食った後にデザートを買いにコンビニへ行くんだけど、デザート後のデザートのそのまた後のデザートまで買っていた。コンビニの店員にプリンとかあだ名つけられてたんじゃないかな?

 とにかく食べるってことが好きな男の子だったんだね。それは今でも変わっていない。タイムマシーン3号の「3号」は、ご飯を一度で“3合”も食べたことから来てるんです。お笑いの世界でも、食事でも“おいしい”って言葉が好きなんです! 

 人一倍食うことが好きな僕は、誰よりも食べることに喜びを感じることができる。ところが、こんなに食っちゃって平気なんだろうかって悩みも実は人一倍大きいんです。このブログでは、そんな僕が食べ物と付き合っていく姿を赤裸々に綴っていこうと思う。いろいろな局面で、“食べるべきか、食べざるべきか”の選択を迫られる僕は、まさしく悩める太ったハムレット。誰にだってそんな悩みはあるだろうけど、僕は誰よりも真剣だという自信があるのだ! この先、太るか痩せるかはわからないけど、食べ物と一緒に気ままに漂流したいと思いますので、皆さんよろしく!