2006年8月 8日 (火)
今をときめく女優 ~寺島しのぶ~
映画にTVに舞台にとひっぱりだこの彼女だが、彼女を映画の世界にひっぱったのは誰であろうこの私である。
実はあまり知られていないが『シベリア超特急2』が彼女の映画デビューなのである。
当時、彼女は舞台の方では認められており、有能かつ熟演型の女優としてぐんぐん名声を高めていた。
しかし映画で使おうとする人はほとんどなく、映画界では無名だった。
私は映画評論の一方で、演劇評論をやっているので『近松心中物語』や『マッチ売りの少女』といった彼女の舞台をよくみていた。
父は尾上菊五郎、母は富司純子という名優の血をひいた、優秀なDNAの持ち主。そんな才能をほうっておくことはない。
最近の大手映画会社はぽっと出の、演技もろくにできないタレントを並べ、ホラーばかり作って持っていけばよろこんで配給する。バカじゃないか。
映画を支えるのは一つには役者の力。
それが一つの柱となって枝がつき、華麗な花が咲くのだ。
私は彼女をピックアップして大女優たちと並べた。大物女優の間に彼女が入れば、若さでぐんと全体が盛り上がる。
『シベリア超特急2』は、まさに私の計算通りだった。ただ一つ心残りなのは、しのぶさんにもっと見せ場を作るべきだったということだ。
たしかに山下閣下に自害を迫るあたりは見事だが、伯爵夫人役の加茂さくらさんと見せる芝居では、彼女の熱演がもう一つ鮮烈に浮き上がってこなかった。
加茂さんの見せ場を、しのぶさんに任せていたらどうなっていただろうかと、いまだに頭の中をよぎる事がある。
それにしても今見事に花開いたしのぶさんを見るにつけ、私は鼻が高い。
<写真>
左から、尾上松也さん、長門裕之さん、私、光本幸子さん、寺島しのぶさん


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