2006年9月 4日 (月)
スターと遭遇
ふだんテレビで見ている人を街角で見かけると、かなりドキドキする。
大ファンならなおさら、「どうしよう!?」とソワソワする。握手、「がんばって下さい」、サイン、できればツーショット写真を撮って友達に見せたい。
でも、スターは急いでる。
渋谷の歩道橋を駆け足で降りてきた。
オレはすかさずバッグからカメラを取り出し、シャッターを押した。
どうやらまわりは、スターの存在に気づいていない。気づいたときには手遅れだ。大パニックになること必至である。
なんと、スター、階段の途中で立ち止まり、何やら話し始めたではないか。常人なら完全にイカれた光景だが、そこはスター、胸元にピンマイクがついているのだろう。その姿をどこか離れた場所からテレビカメラが狙ってるんだろう。オレは釘付けでスターを見つめていた。微かに声が聞こえてくる。
「どんなにおいしいか、行ってみましょう!」
いつもの声、いつもの調子だ。
すると、スター、またも駆け足となり、一気に階段を降りたかと思うと、オレの目の前を走り過ぎ、地下の店に入っていった。
きっと数分後、大口開けてスターは、
「これは正しく、親子丼界のIT革命やぁー」的なコメントを発しているのだろう。
オレはまだ店の看板を見つめていた。
東京に出てきて30年近く、いろんなスターに出くわした。しかし、今回ほどドキドキしたことはない。
「あの時、声をかけなくて良かった」
そう思いながらオレは渋谷の雑踏に紛れたのだった。今年の夏、一番の出来事――。
