プロフィール
みうらじゅん
1958年京都府生まれ。武蔵野美術大学在学中に漫画家デビュー。以来、漫画家、イラストレーター、作家、ミュージシャン、ラジオパーソナリティーなどで幅広く活躍中。近著に写真集『アイノカテゴリー』(ぴあ)、『青春の正体』(ベストセラーズ)などがある。

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2006年6月29日 (木)
第14回 ブロン葬

Miura14_1   男気の権化・ブロンソンが亡くなって約2ヵ月後に「ブロン葬」は行われた。
 喪主は俳優の田口トモロヲと、オレ。二人はブロンソンとこれっぽっちも血縁関係などないのに“遺族”と言い張って止まなかった。
 オレたちは’95年、東芝EMIより『マンダム 男の世界/大脱走のテーマ』というCDをリリース、ブロンソンズと名乗った。当然、ジャケ写はテンガロン・ハットをかぶり、髭(付けヒゲ)、CMで有名になった「うーん、マンダム」ポーズを取った。
“オレ、穴を掘る
 脇目も振らずに掘る
 オレ、穴を出る
 自由を求めて♪”
 オレたちが勝手に歌詞を付けた『大脱走のテーマ』は、映画の中で地味に穴を掘り続けていたブロンソンへのオマージュであった。
 オレとトモロヲさんは同い歳であり、中学時代に見た映画『さらば友よ』で、ブロンソン革命に衝撃を受けた。それは当時、世界一ハンサムとされていたアラン・ドロンと、世界一ブチャムクレと言われていたチャールズ・ブロンソンが夢の共演。しかも見終わった後、ブチャムクレの方が断然カッコよく思えた逆転の革命。それ以降、ブロンソン映画にハマリ20年後、出会うべくして下北沢の飲み屋でブロンソンズを結成した。
 主な活動はしこたま酒を飲んで、熱くブロンソン談義をすることだったが、フルアルバム『スーパーマグナム』も発表し、ちょっとした文系男気ブームを世に送り込んだ。
“いつかはブロンソンの家の前に立とう”
 オレたちの夢はこれで満足だった。だって、会っても喋ることないし……コワそーだし。
 そんなこと言っているうちに男気の権化はお亡くなりになった。せめて遺族にできることは……
“そうだ! ブロン葬だ!!”
 オレたちはその日、黒い喪服に身を包み、テンガロンと付けヒゲは忘れずに、ブロンソンの遺影を持って登場した。知り合いの坊さんにお経を上げてもらい、お焼香もした。
「いやぁー、実にいいお葬式だったね」
 二人は満足したが、仏式でよかったのかは今もよくわからない。うーん、合掌――。